皆さんこんにちは。医師で投資家のジョーです。
昨年末に金融庁から発表された新NISA制度。皆さんはどんな投資を行う予定でしょうか?
インデックス投資、高配当株投資、米国ETFなど様々な投資戦略を考えているかと思います。
そこで今回は2024年度からスタートする新NISAをテーマに話をしていきます。
結論からいうと僕は新NISAではインデックス投資の積み立ては継続しつつ、個別株では配当をを享受しながら長期で値上がり益も狙えるような中~大型の日本個別株に投資する方針です。
とツッコミを入れたくなった読者の方も多いと思います(笑)
もちろん小型成長株は今でも大好きですし、今後も特定口座で継続する予定です。
ただ新NISA制度では小型成長株よりもある程度実績のある中大型株の方が投資しやすいと思っています。
それはなぜか!?
ということで今回の記事では新NISA制度の概要と現行NISAからの大きな変更点、そして僕の投資方針も絡ませながらオススメの投資スタイルを3つほど紹介していきます。
今回の記事は以下の疑問を持っている方には特にオススメです!
- 新NISAと現行NISAの違いがよくわからない
- 新NISAでどのような投資をするのか迷っている
- ジョーの新NISAの投資戦略が知りたい(笑)
新NISA口座はまさに『お金持ちになるための土台』になるのでぜひ最後まで読んでくれたらうれしいです。
それではよろしくお願いします。
目次
新NISA制度について
NISAとは小額投資非課税制度のことで株や投資信託で得た運用益が非課税になる制度です。
一方で普通の特定口座の場合、株式で出た利益に関しては現状約20%の税金が発生します。
このNISA制度が2024年に新NISA制度として新たに始動します。
以下が新旧NISAの比較表になります。
(引用:SBI証券HPより)
従来のNISAや積み立てNISAから大きく変わった点は以下の通りです。
- 非課税保有期間の無期限化
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
- 年間投資額と非課税保有額の拡大
- 投資枠の再利用可能
特に今までのNISAと異なる投資戦略を考えることが出来るようになった改変は①です。
それでは1つずつ見ていきましょう。
非課税保有期間の無期限化
まず何といっても非課税保有期間が無期限になったことは大きなアップデートだと思います。
今までの非課税期間はNISAで5年、積み立てNISAで20年でした。
なので仮にNISAで5年目に保有株が暴落してマイナスになった場合は損切りするしかありませんでした。
特定口座であれば損切したとしても利益が乗っている銘柄と損益通算できますが、NISA口座では損益通算できないのが最大のデメリットでした。
ただ今回非課税期間が無期限になったことで時間的縛りがなくなり、自分のタイミングで利益を確定することができます。
またS&P500などの基本長期で株価が右肩上がりのインデックス投資においては運用期間が長くなればなるほど複利の効果が大きくなるので、インデックス投資においても無期限の非課税期間は有利に働きます。
つみたて投資枠・成長投資枠の併用と投資額の拡大
今までは一般NISAとつみたてNISAのどちらか1つしか選択することができませんでしたが、新NISA制度ではつみたて投資枠(従来のつみたてNISAに該当)と成長投資枠(従来の一般NISAに該当)の併用が可能になります。
- 【つみたて投資枠で投資できる商品】
金融庁が許可した投資信託(主にインデックスファンド) - 【成長投資枠で投資できる商品】
上場株式・投資信託・ETF・REITなど
さらに今まではつみたてNISAで年間40万円・最大利用可能額800万円、一般NISAは年間120万円・最大利用可能額600万円でした。
それが新NISA制度ではつみたて投資枠では年間120万円・最大利用可能額1800万円、成長投資枠は年間240万円・最大利用可能額1200万円まで投資可能となり、つみたて・成長投資枠合わせて最大1800万円まで投資できるようになります。
投資収益は元本と運用利回りで決まるので、今回新NISA制度の大幅な投資可能額(投資元本)の拡大は長期の資産形成においてかなりのメリットになるのではないでしょうか。
投資枠の再利用が可能
最後のメリットは投資枠の再利用ができることです。
利益が発生している株を売却しても翌年その売却した株の取得価格(売却価格ではない)分の投資枠が復活するので新たに株式を購入することができます。
これは特に個別株投資を行うにあたってはとても大きなメリットになります。
個別株投資の基本は優良な株を『安く買って高く売る』ことでインデックスを上回る投資成績が期待できるからです。
基本的には買うタイミングだけでなく売るタイミングも重要になります。
よって相対的に株価が高くなった株を売却して他の割安株に乗り換える戦略を立てることができるのです。
特に景気敏感株の場合は基本右肩上がりで株価が上昇することはないので、株価が低迷している時に購入して好景気によって株価が上昇した際に売却を行うといった手法を新NISAで行うのが賢明でしょう。
以上が新NISA制度の大まかな概要とアップデートされた内容です。
では次からは新NISA制度を利用した個人的にお勧めする投資スタイルを3つ紹介していきます。
新NISAの3つの投資戦略
上記のNISAの改変に伴い、投資スタイル別に僕がお勧めする戦略は以下の3つです。
(なおつみたて投資枠は投資信託しか購入できないのでインデックス投資信託一択です)
- インデックス投資信託に全額投資してガチホールド
- 中・大型高配当株で配当をもらいながら株価の上昇を待つ
- メガトレンドの成長株に投資する
なお下に行けば行くほどリスクは大きく労力もある程度必要になりますが、その分上手く行けば大きなリターンが期待できるのでご承知ください。
それでは1つずつみていきましょう。
インデックス投資信託に全額投資してガチホールド
この投資法は積立投資枠・成長投資枠共にインデックスファンドの投資信託をひたすら購入し続ける方法になります。
特定のベンチマーク(日経平均やNYダウなど)に連動するように組成されたファンドで市場の平均点を狙いにいく投資手法。ベンチマークに投資するためファンドの運用コストが低く、手数料が安い傾向にあります。
このインデックス投資信託全力投資法は以下の人にお勧めです。
- 投資に労力や時間を使いたくない
- 老後に備えた資産形成目的(お金持ちになる目的ではない)
- 過度なリスクを取りたくない
インデックス投資は過去のデータ上年間平均5-7%の利回りが期待できると言われています。
もちろん中身は株式主体の運用なのでリーマンショックなどの市場混乱が起きた際は単年で40〜50%下落する可能性はありえます。
それでも長期で見ると年率数%のリターンが期待できますし、分散投資されているので個別株と比較しても値動きは緩やかです。
インデックス投資は基本的にマクロ経済や個別の企業分析を行う必要がないので投資に費やす労力や時間は不要で黙々と投資信託をつみたて購入するのみです。
もしインデックス投資が年利7%で運用できたとすると、10年で約2倍・20年で4倍・30年で8倍になります。
もし早い段階でNISA投資上限額である1800万円を投資に回せることが出来れば退職後に1億円ほどの資産が形成されている可能性もあります。
本来投資の原則は『長期・分散・つみたて』なのでこの手法はまさに長期投資の本質に準ずる投資手法だと思います。
なお長期投資のメリットについては以下の記事で詳しく説明しているのでよければ読んでみてください。
インデックス投資のデメリットとしては年数%以上のリターンは期待できないということです。要するに短期間でお金持ちになることは不可能だと思ってください。
と思われる方はもう少しリスクをとって次の2つの投資手法を検討しましょう。
中・大型高配当株で配当をもらいながら株価の上昇を待つ
次は高配当株に投資する方法です。
この投資手法は以下の人にお勧めします。
- インデックス投資のリターンでは物足りない
- 毎年インカムゲイン(配当金)が欲しい
- 成長株ほどの値動きには耐えられない
この新NISAには大きなメリットがあります。
それは配当金にも税金がかからないことです。
なので同じ金額でも新NISA口座の配当金は特定口座の約1.25倍になります。
なので配当をもらいながら、ある程度株価があがった段階でキャピタルゲイン(売却益)も期待できる大型高配当株はお勧めです。
ここでなぜ小型株ではダメなのかについて説明します。
基本的に大型高配当株は既に成熟した企業が多く、経営状態が安定している企業が多いからです。
このような企業は外的要因(景気後退や政治・国際情勢的な要因)で株価が下がることはありますが、外的要因が解除されると株価は元の位置に戻る傾向があります。特に大型の景気敏感株などはその代表例です。
一方で小型株は企業がまだ成長過程にある会社が多いので、会社の基盤が安定していません。
今は成長しているかもしれませんが、数年後には業績が悪化している可能性もあります。
小型成長株は企業自体が成熟していないので長期の業績を予想するのが難しいのです。
業績悪化は株価にはマイナスになります。
特定口座の場合は損益通算ができるので最悪損切りの選択肢も取れますが、NISA口座は損益通算ができないのでなるべく損失を確定することは避けるべきです。
よって新NISAで投資する高配当株は小型ではなく大型株に投資する方が無難だと思います。
僕がお奨めする新NISAでの高配当株投資法は以下の通りです。
- 優良企業で比較的安い株価の時期に配当利回りが高い銘柄に投資する
- ある程度株価が上がって現在の株価に対して配当利回りが低下したら売却する
- 再度別の配当利回りの高い優良銘柄に投資する
優良企業の定義はなかなか難しいところですが、この手法は株価が安くなっていて配当利回りが高い時が投資タイミングとなります。いわゆる『逆張り手法』です。
基本的には株価が低迷している時に投資する手法なので精神的には辛い時期が続きますが、その間は配当金という『がまん料』を受け取りつつ、その後株価が上昇した段階で値上がり益を享受しましょう。
売却タイミングについては1つは株価上昇によって配当利回りが低下したタイミングやテクニカル分析を用いて過去の高値付近やサポートラインとなる箇所で売却を検討しましょう。
そのほかPERなどのバリュエーションの指標を参考にする(ただし景気敏感株は除く)ことをお勧めします。
インデックス投資と比べて売買タイミングを考えたり、投資銘柄の企業分析が必要なので投資に費やす時間は増えることになりますが、その分資金回転率が高くなるので上手く売買できればインデックス以上のリターンを期待することも十分可能です。
メガトレンドの成長株銘柄に投資する
最後は値動きは大きくなりますが、その分うまく行けば数倍の株価上昇が期待できる可能性のある方法です。
先ほども述べましたがNISAでは損益通算ができないので、可能なかぎり損切りは避けたいです。
新NISAは短期的には株価下落は起こるものの、長期では右肩上がりで上昇する可能性がある銘柄に投資することが最もリターンが大きいです。
そこで注目されるのが今後の市場規模拡大が期待されるセクターや国策などで市場からの資金流入が起こりやすい『メガトレンド』の銘柄です。
特に僕が今後10年で注目しているメガトレンドが以下のセクターです。
- 半導体
- DX(デジタルトランスフォーメーション)
- 医療・介護
- 転職や人材派遣
AI(人工知能)やメタバース(仮想空間)などもメガトレンドですが、現状かなり期待が先行していてPER的にも割高なので今回は省きました。
特に半導体やDXの市場はこの先間違いなく市場拡大の方向に進むと思いますし、現在アメリカの景気後退懸念や利上げ政策の影響でPER的にも割安感が出ている銘柄もあります。
個人的には半導体銘柄であればフェローテック(6890)、DX銘柄であればチェンジホールディングス(3962)などに注目しています。
そのほか転職に関しては日本の終身雇用制度は崩壊して今後はアメリカのようなジョブ型雇用が進むと思われること、医療・介護関連は保険診療改定のリスクはあるものの2040年までは高齢者人口は増加し続ける試算も出ているのでメガトレンドだと思います。
もちろんこれらのセクターの銘柄に投資するに際に大事なことは『いい企業を割安な株価で購入する』ことです。
以下の記事では四季報を使った優良企業の探し方を説明しているので興味のある方は是非読んでみてください。
また割安度を測る方法として自分で企業の『理論株価』を計算する方法があります。
理論株価より現在の株価が安ければ割安である可能性が高いので、理論株価の算出方法を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
成長株は短期間ではかなり株価の値動きが激しいですが、成長性が期待できる分将来の株価上昇の可能性も高い投資対象です。
もし自分のリスク許容度的に問題なければ是非チャレンジしてみてください。
JOEの新NISA投資戦略とまとめ
今回は新NISA制度の概要とお奨めする投資方法を3つ紹介しました。
新NISAは老後の資金目的やリスクを取って資産を拡大したいなど、人によってそれぞれ考え方が違うので自分のリスク許容度と将来の目標金額を加味して投資戦略を考えましょう。
僕はつみたて投資枠については引き続き外国株中心のインデックス投資信託を継続して投資していく一方で、成長投資枠では指標的に割安になった高配当株やメガトレンド銘柄を逆張りで投資していく予定です。
特に半導体株に関しては特定口座でも現時点で未保有なので新NISA口座では積極的に投資していきたいです。
最後にどの投資法でも共通して言えることは新NISA口座は短期の値動きに惑わされることなく長期目線で株価を見ていく必要があるということです。
特定口座以上に忍耐力が試されると思うので、短期的な株価の上げ下げに一喜一憂することなく資産を拡大していきたいですね。
この新NISA制度の開始に伴って日本市場がさらに活性化されることで10年・20年後に僕を含め皆さんの資産が爆増していることを願っています!
では今回は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。